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沢井 友次; P.J.Maziasz*; 金澤 浩之; 菱沼 章道
Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.712 - 716, 1992/00
被引用回数:10 パーセンタイル:67.8(Materials Science, Multidisciplinary)はじき出し損傷と生成ヘリウムのバランスを実際の核融合炉での使用環境にあわせるため、熱中性子と高速中性子の比率を調整するスペクトル調整照射をORRで実施した。試料に用いた6種類のオーステナイトステンレス鋼は、今回の照射条件(400C、7.4dpa)では、溶体化処理材にはスエリング挙動の差が認められたが、冷間加工材では、すべて良好な耐スエリング性を示し、浸漬密度試験においても、電子顕微鏡観察においても、ほとんど差が認められなかった。溶体化処理材の中でも改良ステンレス鋼は最も優れた耐スエリング性を示したが、高純度3元合金の0.86%をはじめ、大きなスエリングを示したものもある。より高照射量では、スエリング率がさらに増加することも大いに考えられ、400Cという比較的低温においても核融合炉材料の選択には、スエリングを考慮すべきであることを示している。
實川 資朗; M.L.Grossbeck*; 菱沼 章道
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.563 - 567, 1991/00
被引用回数:13 パーセンタイル:78.38(Materials Science, Multidisciplinary)一般にオーステナイトステンレス鋼は照射により硬化と延性低下を生ずる。これらの評価には引張試験が用いられるが延性の評価には結果の取り扱いが適当でないことが多い。これは試験片のくびれデータや絞りデータ取得が困難な事が多い為である。そこで、試験中のくびれ挙動を与える近似法を作り、試験後の試験片形状よりこのためのパラメタを得、これをHFIR照射したステンレス鋼(316鋼、改良ステンレス鋼:PCA)の荷重変位曲線に適用し、引張真応力-真ひずみ関係を得た。さらにこの結果にスウィフトの構成方程式を適用し結果の整理を行なった。これより照射温度673K以下では照射は主として硬化をもたらす事、この硬化を除けば加工硬化挙動に与える効果の小さい事、また733K以上では効果と延性低下をもたらし、硬化及び加工硬化挙動がPCAと316鋼とでは異なることがわかった。
實川 資朗; 北條 喜一; 菱沼 章道
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.538 - 541, 1991/00
被引用回数:2 パーセンタイル:31.89(Materials Science, Multidisciplinary)微量なリン及びホウ素を添加した改良ステンレス鋼及びこれに加工熱処理を行なった試料をイオン注入装置付きの100kV電顕に入れ773Kから923Kでミクロ組織変化をイオン注入しながら、連続観察した。イオン照射は10kVのHeイオンを1.810 He/msの照射速度で行なった。試料中のイオン入射表面近傍に微細(10nm)なバブルの形成が観察された。これらのバブルは照射中に成長を続け合体して大きくなった。合体によるバブルの成長はP及びBの添加により抑制された。この抑制効果はPよりBの方が強かった。また。Tiが無い場合には、PやBの効果は小さくなった。時効させると、Ti、P及びBの効果は減少した。以上より、Ti、P及びBの添加はバブルの合体による成長を抑制すること、そして、この効果はたぶんHeクラスタ上へのMCの析出傾向に依存するのであろう。
田中 三雄; 浜田 省三; 菱沼 章道; P.J.Maziasz*
Journal of Nuclear Materials, 155-157, p.801 - 805, 1988/00
被引用回数:36 パーセンタイル:93.69(Materials Science, Multidisciplinary)日米共同HFIR/ORR照射試験によって得られた結果の内、比較的高温照射(500,600C)後の組織観察結果を比較的低温照射(300,400C)後の組織と比較して報告する。 高温照射においては、照射によって析出相の形成が、一層促進され、粗大化が起る。このため、照射欠陥の粗大ボイドが形成され、スエリング量は500Cでは極大を示す。溶体化処理材では加工材に比べて、析出層の粗大化は著しく、スエリング量も多くなった。 この結果は、使用温度が500C以上の場合は、核融合炉のブランケット構造部材としては、加工材を使用した方が得策である事を示している。
田中 三雄; 浜田 省三; 菱沼 章道; M.L.Grossbeck*
Journal of Nuclear Materials, 155-157, p.957 - 962, 1988/00
被引用回数:20 パーセンタイル:84.83(Materials Science, Multidisciplinary)日米共同HFIR/ORR照射実験から得られた成果の内、第1候補材料(PCA)の引張及び疲労特性について報告する。 従来溶体化材の機械的性質は、重照射後の多量なヘリウム存在下では、その脆性のために、照射による劣化が著しいと報告されて来た。しかしながら、大型溶接構造物と考えられる次期核融合炉を冷間加工材で製作する事は、溶接性の問題があり大変困難である。そこで、溶体化材の開発が必要となった。 本実験結果は改良ステンレス鋼(Ti添加材)では、その照射劣化量は溶体化材と冷間加工材とが同程度である事を示している。この結果は改良ステンレス鋼の溶体化材は良く限定した使用条件下では、核融合炉の構造材料として使用できる可能性を示している。
鈴木 建次; 片野 吉男; 有賀 武夫; 浜田 省三; 白石 健介
Journal of Nuclear Materials, 133-134, p.585 - 589, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:37.51(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉の第一壁材料では損傷組織に及ぼすヘリウムの影響が大きな問題になっているので、炭素量を0.15wt%まで含有する改良ステンレス鋼(PCA)におけるヘリウム気泡の析出挙動と炭素量との関係について検討した。1273および1373Kで30分間保持後急冷した試料に1.0MeVのヘリウムイオンを350および1023Kで約0.1dp(約210ppm)のピーク値になるまで照射した。照射後、試料の損傷領域における組織を電子顕微鏡で観察した。1023Kでヘリウムイオン照射した炭素含有量の異なる改良ステンレス鋼における組織観察によれば、炭素含有量の増加に伴ってヘリウム気泡の直径は11nmから4nmと減少するのに反して数密度は210/mから410/mと増加する。これらの結果は炭素含有量が増加することによりヘリウム気泡の核生成が促進される結果、ヘリウム気泡の成長を抑制することを示している。
有賀 武夫; 片野 吉男; 白石 健介
Journal of Nuclear Materials, 122-123, p.1401 - 1405, 1984/00
溶体処理後923kで11,000h時効処理をした316及び316+0.58w/0Tiの析出相の組成分析を行った。316鋼では多種類の析出相が観察され、これらにはMo,Si,Crが多く含まれている。すなわち、316鋼の母相ではMo,Si,Cr量が平均の値より少なくなっている。これに対し、316+Ti鋼では、mC型の炭化物のみが生じ組成に大きな変化は認められない。これらの試料に973kでピーク値で510appmのHeを注入した後電子顕微鏡組織を観察した。時効した316鋼では、非常に小さい気泡が数多く生じており、これらの気泡によるスエリング量は0.3%で、比較のためHeを注入した溶体化処理のままの316鋼のスエリング量の2%に比べて、非常に小さい。これに対して、時効処理をした316+Ti鋼ではかなり大きな気泡が生じ、この気泡によるスエリングは5.5%と非常に大きい。このことは、ステンレス鋼中の気泡の生成・成長は材料組成の局所的な変化に対して非常に敏感であることを示している。